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当方へご相談に来られます不妊症の男女比は、1対2位の割合で男性不妊症の方が急増しています。近いうちにその比率は1対1になるでしょう。特に精子の数や活動性に問題のある方が多く、マスコミでも環境ホルモンとの関連が報道されていますが、私は原因はそればかりではないと思います。
男性不妊症を3タイプにわけて説明します。 (1)睾丸での精子生産機能障害で、精子数の減少、構造の変化、活動能力の減少等、精子の病理的異常によるもの(通常、正常な場合毎回排出される精液は3~5ml、1ml中約六千万~一億五千万の精子を含み、正常な構造の精子は約80%以上、活動能力のある精子も75~80%を占める)。この精子の異常は精子の原料不足と生産能力の低下と考えられます。中医学でいう腎陽虚です。補精・補腎効果の強い動物生薬と植物生薬を配合した温補腎陽薬を用います。 (2)精子の運搬、通過の障害は副睾丸や精管など精子を運搬する通路が炎症により閉塞されていることが考えられます。中医学でいう下焦の湿熱です。消炎効果の高い清熱利湿薬を用います。 (3)性交障害によって精液が女性の子宮に侵入できず受精できない。性交障害の多くは勃起不能、遺精、早漏、射精不能等です。生殖能力の低下に対しては生殖能力を高め強壮作用のある補腎薬を用います。手足のほてりを伴う方は補腎陰薬を、手足の冷えを伴う方は補腎陽薬を用います。 病院で精子の数と運動性に問題があるといわれ、出されたという薬についてうかがうと、決まって八味丸(または八味丸に牛膝、車前子を加えた牛車腎気丸)と補中益気湯という二つの薬です。どちらも植物生薬のみから構成されるもので、それほど効果は期待できないと私は思います。男性不妊に対しては、海狗鞭、鹿鞭、鹿茸、海馬といった補精作用の強い生薬を使用しないと、大きな効果は得られないのです。
by yakujudo
| 2001-10-10 00:01
| 不妊症解説
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