最近日本ではペルシャ産やカルフォニア産のザクロに、女性ホルモンのエストロゲンが含まれていて、女性の健康に大変よいとブームになっていますが、本当に体によいほど含まれているのでしょうか。
　エストロゲンが多量に含まれているとすれば、とりすぎはガンを発病させることにもつながる重大な問題です。中国で生まれ育った私の妻も、中国にいたころザクロは果物として食べていましたが、婦人の体によいという話は、一度も耳にしたことがないと驚いております。
　医薬同源の国中国では、果物にもそれぞれ効能があると考えます。中でも特に効能のすぐれたものは中薬として薬に配合されます。例えば大棗（ナツメ）、茘枝肉（ライテーの果肉）、杏仁（アンズの種子の仁）、桃仁（スモモの種子の仁）、陳皮（みかんの果皮）などです。
　ザクロも果皮の石榴皮が生薬として使用されますが、その効能は下痢止めです。ザクロの果実としての効能は渇きを止め、消化促進、下痢止め、止血です。特別にペルシャとカルフォニアの土にはエストロゲンが含まれているのでしょうか？
　中国で女性の方々に何か体によいものを飲んでいますかと聞けば必ず当帰・紫河車と答えるでしょう。婦宝当帰膠という有名なお薬がありますように、当帰はホルモンの分泌を高め、分泌を調節して、子宮の血行を改善するので、生理不順、生理痛、更年期障害などに欠かせない生薬です。そして紫河車は、最も安全で効果のある自然な女性ホルモンを含む胎盤（ヒューマンプラセンタ）です。どちらもザクロなど足もとに及ばない女性の妙薬です。